写真評論社から発行された季刊誌の第6号です。
印象的な表紙は石岡瑛子が手掛けており、巻頭の「SIGHT SEEING」でも多くの作品が掲載されています。
最も大きな特集は「風景」で、高梨豊ならびに中平卓馬による写真と討論では赤瀬川原平や中原佑介などによって風景論に関する議論が展開されています。近年、東京都写真美術館での「風景論以後」や東京国立近代美術館での「中平卓馬 火-氾濫」など、この時期の「風景」に関して注目が集まる機会が増えていますが、両展示会で言及されていた本書は非常に重要だと考えられます。
・目次
特集=1 風景
写真=都市へ(高梨豊)
写真=風景・9(中平卓馬)
エッセイ=風景・変身の永久運動(鈴木志郎康)
討論=風景をめぐって(中原佑介・赤瀬川原平・足立正生・刀根康尚・佐藤信・中平卓馬)
特集=2 PORTFOLIO “乾いた時間”(小川隆之)
特集=3 座談会=マスをかいてどっちが遠くへ飛んだかというハナシ(三木淳・細江英公・森山大道・村瀬秀明・吉村伸哉)
SIGHT SEEING=石岡瑛子
方丈記=荒木経惟・辰巳四郎
クォータリー・コラム
見る者の肉体はどこで直立するか(金井美恵子)
技術の裂け目に(上野昂志)
ポーランドのポスターあるいは髑髏論(谷川晃一)
ウッドストックを越えようとする新たな混沌(金坂健二)
出版案内
発行年:1970
発行元:写真評論社