地方の様子を映したドキュメンタリー作品というのはよくあるものですが、そのとき撮られる側は何を感じているのでしょうか。中央やマスのために撮られることを本当に人々は望んでいるのか、そもそもそれに意味があるのか。
「つぎの民話」は、著者のドキュメンタリー作家松井至さんが、ドキュメンタリーでの撮る/撮られるの関係性について苦悩した結果、導き出したあたらしいプロジェクトです。各地で映像を撮り、その映像を地元の人々で見て、語り合うことによって紡がれるものであり、その映像は地元の人たちが自由に放映できるようにする。そうすることで、最初の放映はもちろん、その後も映像を見て語り継ぐ人たちによって作り出すものです。そこに至るまでの石巻やいわきなど、全国での活動をまとめた1冊です。各章に付随する映像作品のリンクもついているので、そちらも併せてお楽しみください。
----以下、公式より引用----
かつて焚き火を囲んで民話が語られたように
映像がその光となって〈つぎの民話〉が生まれる。
傑作ドキュメンタリー映画『私だけ聴こえる』で知られざる〈コーダ= CODA〉の世界を描き、驚きと共に世界に迎えられた松井至監督による、初めての著書。
映像を〈見る〉〈見られる〉という関係から解き放ち、その場にあらわれるものを〈共視〉することでひらかれるドキュメンタリーの新しい可能性。
……石巻、いわき、奈良、京都、朝日町、西会津、前橋……
日本各地を旅し、人に出会い、撮影を続ける日々の中で、〈映像とは何か〉〈映像に何ができるのか〉を探究し続けた、二年間の旅を綴る、体験的映像論。
本書で制作過程が描かれた、松井監督の映画7作品の鑑賞リンクがついています。
映像と共にお読みください。
コーダ:デフ(ろう者)を親に持つ聴者の子どもたち。(CODA=Children of Deaf Adults)