燃え尽き症候群の専門家は、ある日気づいた——自分自身が燃え尽きているのだと。
エッセンシャルワーカーの見えざる苦悩を繊細にえがく、迫真のエッセイ。強迫性障害をかかえる研修医、復職後のPTSDになやむ看護師、パンデミック下の極限状態で追い詰められていく医療者たち、そしてかれらの語りに耳を傾けつづける精神科医ジェシー。それぞれが自身の内面と向き合うことで浮かびあがってきたものとは……。
[目次]
第一章 幼少期からの完璧主義——競争溢れる教室
第二章 研修医ルークと強迫性障害——ハッピーバースデーを三回
第三章 精神科医の道を選んだわけ——病気ではなく、人を診る
第四章 医学部志望のナヤとパニック発作——医科大学入学試験を控えて
第五章 救急医メーガンの数十年ぶりの涙——ヒーローは感情を持たない?
第六章 “運命の”セラピスト、ミラー先生——「心のメンテ木曜日」
第七章 妊娠中の看護師ジャネット——集中治療室への「配置転換」
第八章 必要とされる存在でありたい——セルフケアの宿題
第九章 悪しき医療文化——レジリエンス神話
第十章 ミラー先生へのホットライン——コロナ病棟からの精神科依頼
第十一章 まずは“怒り”から——セルフ・コンパッションのすすめ
第十二章 「私、ギリギリで通ったの」——自己開示の力
第十三章 本当の意味の休息——患者を忘れたことの罪悪感
第十四章 パンデミック下のトラウマ——復職前のジャネット
第十五章 何かがおかしい——休めない休暇
第十六章 ミラー先生の告白——偏見は自分の中にも
第十七章 身体的な問題?——かかりつけ医の診察
第十八章 メンタルヘルスと医師への道——医師免許を失う恐怖
第十九章 復職後のPTSD——無感覚という鎧
第二十章 「私、完全に燃え尽きてるじゃない!」——濡れずに水の中を歩くようなもの
第二十一章 仕事以上の存在になる——与えることの代償
第二十二章 「助ける人」を支えること——医療に人間性を取り戻す