近年さまざまな視点から注目が高まっているヴァージニア・ウルフによるエッセイ集。
ジェンダー論については、基本的には、第一波フェミニズムの観点で書かれている内容のため、今とは状況が異なる点もありますが、変わらず今もなお重要な観点もあるので、一読をおすすめします。
また、最後に収録されている「空襲下で平和について考える」は、空襲下の緊迫した状況で淡々と戦争の暴力について思考を巡らす中に、静かな怒りと未来への微かな祈りを感じて非常に印象深く、暴力がいまだ絶えないこの時代にも読んで考えたい一篇です。
----以下、公式より引用----
「文学はだれの私有地でもありません。文学は共有地です。切り刻まれて国家に分割されていませんし、戦争はありません。自由に恐れずに侵入して、自分で自分なりの道を見つけましょう」
文学や社会におけるジェンダー、階層を超えた女性の連帯、空襲下で綴られた平和論……。
「ベネット氏とブラウン夫人」「病気になるということ」「ロンドン上空を飛ぶ」「女性にとっての職業」「傾いた塔」ほか、初訳を多数含む25篇のエッセイを収録。初期から晩年までウルフの思想をたどる、オリジナル・アンソロジー。