東大駒場、幻の講義がいま甦る
ひとはなぜ道徳的主体とみなされうるのか、戦争における責任はいかにして問うことができるのか、「ひとをはずかしめない社会」とはどんな社会なのか——2001年、同時多発テロと米国のアフガン侵攻が世界を揺るがすなか、哲学者・門脇俊介(1954-2010)は、東京大学教養学部の学生たちの前で、あくまで哲学の立場から原理的な思考を展開しようと試みた。戦争や差別が世界を覆いつつあるいま、その強靭な思考を甦らせる。
■目次
編者序文――二五年後にこの講義を読む人たちに
Ⅰ 戦争と差別について哲学は何を言えるのか――社会哲学講義
序 論 自由意志と自然法則のあいだで
第一章 道徳上の運(moral luck)
第二章 戦争における倫理
第三章 啓蒙主義の意味
第四章 多文化主義の問題
Ⅱ 哲学の弁明――単行本未収録テキストから
新任の弁、もしくは哲学の弁明
転任にあたって
哲学の森へ
教科書と外国語教育
哲学 大学における現在
アファーマティヴ・アクションとカリフォルニア大学
専門に没頭できない大学環境
哲学の海を泳ぐ
哲学は趣味だった
夫門脇俊介のこと 門脇由紀子
編者解説