1936年に復活した軍部大臣現役武官制は現役軍人のみが陸軍・海軍の大臣に就任できるとする制度である。この制度の復活により軍部が内閣の生殺与奪の権を握り、その後の政治を支配して日本は戦争への道を歩んだ――。
このような歴史認識が定説となってきたが、本当に正しいのか。広田内閣から米内内閣に至る、陸相のポストをめぐって陸軍と首相および天皇が対立した全事例を精査。同制度は政治を左右した決定的要因ではなく、政治支配の実相を描くには政治勢力間の力学の総合的分析が不可欠であることを明証した。昭和史の定説を覆した画期的名著。