2024年末に尹錫悦元大統領が突如宣布した「非常戒厳令」に対し、多くの議員や市民が国会へと駆けつけ、約6時間後に非常戒厳を解除させた。
尹大統領の弾劾を求めるデモには100万人を超える市民が集い、色とりどりの旗やペンライトを手にした様子が日本のメディアやSNSでもたびたび紹介された。
大統領を退任へ追いこむ韓国政治のダイナミズムはどこから生まれるのか?
植民地支配からの解放と南北分断、済州4・3と光州事件、
民主化の達成と現実、フェミニズム運動の高まり、
ハン・ガンのノーベル文学賞受賞……
激動の近現代史から見えてくる韓国社会のすがた。
いま私たちが隣国の歴史に向き合うための基本書。
【本書より】
この本は、韓国の人びとがどのように歴史を認識し、記憶し、語っているのかに焦点をあてます。1948年の大韓民国政府の樹立から大まかな年代順に歴史をなぞりますが、しばしば話が前後したり、時系列が逆転したり、同じ出来事が何度も語られたりするでしょう。そうすることで、2024年の非常戒厳令のような事態がなぜくり返されたのか、より深い理解ができるのではないでしょうか。(中略)
朝鮮半島の近現代史を語ることは、日本の近現代史を語ることでもあります。この本で語る韓国の歴史は、大日本帝国統治時代の圧倒的な影響をふまえ、在日朝鮮人の視点も大切にしながら、戦後の日本が朝鮮半島の歴史にどう介入してきたのかを強く意識したものになるでしょう。――「プロローグ」