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山下澄人エッセイ集 猫が動く、何かがはじまる

2,200円

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作られたものがそこになければ起きなかったことが起きる。俳優、芥川賞作家・山下澄人初のエッセイ集にして、すべての人にひらかれた創作論。つくる、みる/みられる、本、問答、記憶、猫ーー「わたし」の「からだ」を通して生きること、表現することの歓びを取り戻すための59篇。 「表現」には恥ずかしいとかみっともないとか、面倒くさいとか無駄だとか、だから「やりたくない」とか、謎の鍵がかかっている。だけどそれは元々あった鍵じゃない。自分でかけたわけでもない。どこかで誰か人間にかけられた。  鍵が外れてやってみたら、楽しくない人間がいるとはわたしは到底思えない。(「誰でもできる、やってみる」より) 「書けるかな」  とわたし。 「書ける書ける」  と森田さん。 「Aって書け。書いた?そしたら はい台詞、五行ぐらい」  わたしは書いた。 「書けたら次はBと書いて、セリフ。五行ぐらい」  わたしは書いた。 「あとは好きにやれや」  好きにやった。表裏書いたら「見せろ」というから見せたら読まずに眺めただけで 「いいねぇ。才能あるねえ」  この一言でその後が決定した。それから三十年以上、わたしは今も書いている。 (「適当なひと言」より)

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