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杉本真維子詩集

1,650円

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言葉なきものに 眼差しとして 「いいことばかりじゃなかったです、とてもとても  あなた、かってなことばかり言って  過去、なんて、その程度のものなのですよ」 わたしではない口が 不満気に、でも、きっぱりと、言い放った まばらな拍手はぐねぐねと体内をめぐり 私語をやめ 硬い岩となって野原でめざめる あなたのつごう、あなたのはんだん、 あなたの、滲む血のかたちは、 ぜんぶ、その身体に、とじこめてあると 博士は言った きっと誰にも褒められなくてよい そのちいさく何よりも華やかな拍手のために、 ひとはふっくらと一人である (「拍手」) 一日は長いヒモだ。結ぼうにも端はなく、いつ昏れたのかわからないまま翌朝になっている。そこを割って入る杉本真維子の詩作は、デモーニッシュな力が働いているように見える。そうしなければ、楽に息ができないというこんとんの淵からの生還なのだ。――井坂洋子 『点火期』から『袖口の動物』『裾花』をへて『皆神山』まで、既刊4詩集全篇、及び未刊詩篇47篇を収録。底知れない視線、切りつめた発語で、2000年代以降の詩に鮮烈な実りをもたらした詩人の全貌。

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