待望の初訳! 思考不可能な世界を呼び覚ます
今日、世界は私たちの思考の及ばないものとなりつつある。惑星規模の災害、パンデミックの勃発、そして迫り来る絶滅の危機。本書は、私たちが思考の彼方へと逃れ去る世界を思考するための手段として、ホラーというジャンルに目を向ける。ブラックメタルからラヴクラフト、さらには伊藤潤二の漫画まで——さまざまな作品を媒体としながら謎めいた奇才によって提唱される、独自の宇宙的悲観主義。
[目次]
序章 不可知の雲
第1章 魔学に関する三つの問題
問題 Ⅰ——ブラックメタルにおける「黒い」という言葉の意味について
問題 Ⅱ——魔はいるのかどうか、いかにして魔を知るのかについて
問題 Ⅲ——魔学について、そしてそれが学問の名に値するかどうかについて
第2章 オカルト哲学に関する六つの読書
前文——アグリッパ『オカルト哲学』について
1 マーロウ『フォースタス博士の悲劇』~ゲーテ『ファウスト』第一部
2 ホイートリ『黒魔団』~ブリッシュ『ブラック・イースター』
3 ホジスン『幽霊狩人カーナッキ』~「二次元の世界へ」(『アウター・リミッツ』)
4 ラヴクラフト「彼方より」~伊藤『うずまき』
5 シール『紫の雲』~ホイル『暗黒星雲』~バラード『狂風世界』
6 『カルティキ/悪魔の人喰い生物』~『怪獣ウラン』~ライバー「黒いゴンドラ船頭」
補遺——シュミット『政治神学』について
第3章 神学のホラーに関する九つの討論
1 来世
2 冒瀆的生命
3 取り巻くものとしての疫病
4 ネクロス
5 生物学の霊
6 一義的生物
7 絶滅と存在
8 非存在としての生命
9 無名のホラー
「触手のある黒い空虚が低い声で囁く」
プロローグ
スタンザ Ⅰ
スタンザ Ⅱ
スタンザ Ⅲ
スタンザ Ⅳ
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訳註
訳者解題