画家、映像作家、音楽学者、人類学者、魔術師、詩人、言語学者、哲学者、錬金術師、蒐集家、浮浪者——20世紀アメリカが生んだ最狂の野生思考=ハリー・スミス。
1988年から1990年にかけてコロラド州ボウルダーのナローパ大学で行われた講義を録音テープから忠実に書き起こし、言い淀みも、言い間違いも、突然の中断も、脱線も、沈黙も、咳すらも編集することなく、ハリー・スミスの思考を剥き出しのまま記録したドキュメント。加えてさまざまな文献から抜粋コピーされた講義配布資料(計104ページ)をそのまま収録。
何一つ説明せずにうねうねと蛇行する語りが、「知識」を単なる情報としてではなく、世界と自己を変容させるための実践として提示する。一般的な講義の形式を著しく逸脱し、本人すらも何かに巻き込まれていく思考の痕跡。自由詩のようなレイアウトが「意味」を分解し、すべてが読者に委ねられる。
■目次
●編集前記(レイモンド・フォイエ)
●序文(ピーター・ランボーン・ウィルソン)
●ナローパのハリー・スミス(ダイアン・ディ・プリマ)
●第1講 無名性の合理性
●第2講 自己言及は可能か?
●第3講 オールド・エイジとニュー・エイジ
●第4講 音楽とフィルム
●第5講 ネイティブ・アメリカンの宇宙(Ⅰ)
●第6講 ネイティブ・アメリカンの宇宙(Ⅱ)
●第7講 宇宙誌
●あとがき ハリー・スミスの錬金術と魔術に関するいくつかの注釈(チャールズ・スタイン)
●訳者あとがき
●講義配布資料