音楽シーンを中心にいまや日常に浸透しているクラブカルチャー。社会学やカルチュラル・スタディーズ、空間論の視点を整理し、ディスコブームや風営法の取り締まりなどの事例を挙げながら、クラブカルチャーの「グレー」から「健全」への変容を明らかにする。
多種多様な人々が集い、音楽やダンスを楽しむ空間である「クラブ」。クラブからは様々な音楽やファッション、アートが発信されて、独特の文化を築いている。特に音楽シーンでは、DJのフェスへの出演、アニメソングやポピュラー音楽への影響など、クラブカルチャーが日常に浸透していることが見て取れる。
クラブカルチャーは日本でどのように変容してきたのか。クラブの誕生やイギリス・アメリカなどの海外の動向を押さえたうえで、日本を席巻した1970年代から80年代のディスコブーム、90年からの風営法による取り締まり、近年の新型コロナウイルス感染症による規制などのクラブと社会の交差をたどり、「グレー」から「健全」に変容してきたクラブカルチャーの内実を明らかにする。
自身もDJとして活動し、長年フィールドワークを続ける著者が、社会学やカルチュラル・スタディーズ、空間論の視点を手際よく整理し、事例を紹介しながら、「拡散し交差する嗜好の文化」としてのクラブカルチャーが生き残る方向を指し示す。